人気上昇中 バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF (VHT)を徹底分析

 この記事では、最近人気のバンガード・米国ヘルスケア・セクターETF(VHT)について紹介していきたいと思います。

以下のチャートはVHTの日足チャートです。


このチャートをみるとかなり人気があり、上がり続けていることがわかりますよね。

まずVHTが人気の理由について3つ紹介します。
以下の3つが人気の理由です。

・ヘルスケア株が割安である
・これからはヘルスケアが流行る
・医療機器・医薬品セクターの選択は難しい→ETFが無難

ヘルスケア株が割安である

ヘルスケア株が安い理由について説明します。

まずVHTの構成銘柄についてです。

製薬企業として有名なジョンソン・エンド・ジョンソン、ファイザー、アボットラボラトリーズ、アッヴィ、メルク、イーライリリーが組みいれ銘柄として上位を占めています。


また、ヘルスケア最大手ユナイテッドヘルスケアが二番目の割合、科学機器メーカーのサーモフィッシャーは6番目の割合となっています。


誰もが一度は聞いたことがある企業ですね。


企業の割安・割高を見る指標としてPER、PBRがあります。


上位5社のPER・PBRを下に表として載せました。

PERPBRPER(予想)
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)31.27.0021.44
ユナイテッドヘルスグループ(UNH)26.216.0723.41
ファイザー(PFE)32.323.5313.36
アボットラボラトリーズ(ABT)46.336.3039.17
アッヴィ43.0315.8215.23
楽天証券より

もっと細かい構成銘柄、構成割合を見たい場合はこちらのサイトをご覧ください。
VHT https://nikkeiyosoku.com/stock_us_etf/holdings/VHT/


現在のPERを見るとUNHを除く四社はPERが高く割安には感じませんね。


しかし、予想PERを見ると大幅に下がっています。


どの企業も好決算を予想しており、売り上げ、利益が好調ということを予測しています。


これからの伸びを考えると、PERが下がり、割安が感じられるのではないかと思います。


また、ファイザーとアッヴィについてはPER20倍を下回る予想をされているのでかなり割安だと思います。


個別株で狙ってみるのも良いかもしれませんね。

これからはヘルスケアブームの到来?!

 最近ヘルスケアという言葉が流行っていますがどうしてでしょうか。


まずヘルスケアの意味についてですが、健康の維持・増進といった行為のことです。


これからは病を治すだけでなく、病気にならないよう予防を行い、病気が治った後も健康で入れるようにサポートする。


つまり、人々の健康をトータルコーディネートする事だといえます。


このような考え方が生まれた一番の理由は寿命が延び、病気を駆逐するためには、予防、治療、治療後の健康管理が世界的に重視され始めたからだといえます。


WHOの報告によると、2000年からの16年間で世界の平均寿命が5.5歳延び、平均寿命は72歳(男性69.8歳、女74.2歳)となったそうです。


この世界的平均寿命の延びに伴って、日本の製薬大手もアステラス、大塚HD、第一三共など多くのが企業がヘルスケア事業に乗り出しています。


また、最近では薬で病気を治すだけでなくAIを活用して病気の治療に役立てるといった取り組みが行われており、アプリやウエアラブル端末を治験し、実際に薬と同じように承認を得て売り出すといったことが行われています。


今流行りのAI技術を駆使しして新たな市場を作り、拡大を狙っているのです。


つまりこれからの時代はヘルスケア×ITの時代なのです。


VHTに含まれるジョンソンエンドジョンソンは順天堂大学とAIの活用について共同研究を行っています。


ファイザーはヘルスケア・ハブ・ジャパンと呼ばれるスタートアップ企業との交流の場を設けており、AI、デジタル技術の活用を推進しています。


まとめると以下の三つがヘルスケアブームを後押ししています。


・病気を治すだけでなくこれからはトータルケアの時代
・世界の平均寿命の延び
・今流行りのAI技術を取り入れた新たな市場拡大


こういった意味でまだまだ伸び続ける事業であり、VHTは良い投資商品だと考えられます。

医療機器・医薬品セクターの選択は難しい?
→ETFが無難

 投資商品選びは難しいと思いますが特に、医療機器・医薬品セクターの選択は難しいのではないかと感じています。


医療機器や医薬品の良しあしを理解するにはかなりの専門的知識が必要です。


私は医薬品の良さを決めるのは基本的に、画期的な作用機序であるか、副作用は少ないか、多くの患者に適用できるかだと考えています。


その中で、画期的な作用機序かどうか知ることは、独学でかなり調べない限り、一般的な人には難しいのではないかと考えています。


私自身、大学院でバイオ系を学び、製薬企業に勤めているので、それなりに専門知識はありますが、それでも医薬品・医療機器の良しあしを決めるのは難しいです。


それでも医療機器・医薬品セクターに投資したいと考えるならばVHTは最適な投資対象だと思います。


以下のチャートはVHTの月足チャートです。


 長期的に見れば右肩上がりに成長していることが分かります。


また、コロナショックで大暴落し、底値を2020年3月につけてから、約2か月ほどで暴落前の水準に戻っています。


暴落後の戻りの速さも魅力の一つではないかと考えています。


医療機器・医薬品セクターを選ぶのは難しいですし、バイオテクノロジー、再生医療、ITの参入により変化の大きいセクターとなっています。


その点VHTはETFですのでプロが構成銘柄比率を考えてくれますし、かなり良い商品なのではないかと思います。


ぜひ興味のある方はポートフォリオの一部として組み入れてみるとよいかもしれません。